国際 ビジネス必携(入門編)

    元ITU事務総局長 内海善雄
 

 

「日経プレミアシリーズ「お辞儀」と「すり足」はなぜ笑われる」 より  
 
 

レセプション

 レセプションと呼ばれるもののなかには、カクテルやビュッフェなど多くの形がある。

カクテル  料理が出なくて飲み物と、少しのカナッペなどの簡単なおつまみしかでない。普通、夕食の前の早い時刻に行われる。

ビュッフェ 立食や、あるいは着席で、ビュッフェ形式の食事があるパーティー

ディナー  着席で、食事を伴うパーティー。 座席を指定される場合が多い。

ガラ・ディナー  上記ディナーのうち、形式を重んじて行われるパーティーを、ガラ・ディナーと呼ばれるときがある。ブラック・タイや ディナー・ドレスなどの正式な服装が要求される場合 もあり、また、慈善事業のために寄付を前提としたものもガラ・ディナーと呼ばれることがある。


参加者の
心得 (成功の秘訣参照)

招待状に対する返答  招待状に R.S.V.P. が記載されている場合は、電話であれ、手紙であれ、必ず返答すること。会議などに参加するため外国に出張している場合は、返答を忘れがちなので注意が必要。 

始まり時間  カクテルは、案内の時刻より多少早めに行っても大丈夫であるが、他の場合は、多少(5分ー10分)遅めの方が良い。特に、個人が主催するディナーに、時間より前に訪問して、ホステスを当惑させることは、絶対にしてはならない。

リシービング・ライン リシービング・ラインで長蛇の列を作って、挨拶を待っているケースを良く見るが、もし、挨拶せずに入場できる通路が用意されていれば、挨拶する必要はない。また、 リシービング・ラインで、ホストに20秒以上の長話をするのも、顰蹙もの。 ホストが握手の手を差し出さないのに、握手を求めるのもスマートではない。そのような時は、軽く会釈するのが良い。(日本式の深いお辞儀ではない。)

心づけ  個人が開催するディナーに呼ばれた場合は、心づけの品を持参するのがエチケット。チョコレート、花、ワインなどが定番の品である。一方、そのような気を使わせたくない場合には、招待状に 、たとえば 「No  gifts are accepted.」 など、事前に書いておくと良い。

同伴者 レセプションに同伴者がいると大変楽である。無理をして話し相手を見つけることもなけく、落ち着いて参加できる。また、友人が自然とむこうから話かけに来てくれる。配偶者の同伴者が最適であるが、配偶者がいない場合は、部下や秘書でも同伴することが可能である。

終了の時間   ディナーの終了は、主賓が席を立つのを待つのが原則である。西欧人は、盛り上がると、延々と酒を飲み、何時になっても終わらないことがあって困ることが多い。その時は、翌朝早く予定があると断って席を辞すことが可能である。しかし、日頃から体力を鍛えておき、皆より早く席を立つような情けないことにならないようにしておかないと対等に付き合っているとはいえない。

礼状 個人が開催するディナーに呼ばれた場合は、翌日、簡単な礼状のカードを出すのが習慣である。


主催者の心得 (成功の秘訣参照)

招待状 よほどインフォーマルなもの以外は、招待状を事前に送付するのが礼儀。招待状は、正式なフォーマルなものからインフォーマルなものまでいろいろあるが、個人的なレセプションでない限り、フォーマルな招待状を出すのが無難である。フォーマルな招待状には、厳格な形式があり、日本人は、よく誤りのある招待状を出すので要注意。誤りのある招待状は、その企業のレベルを問われる。

テーブル・プラン 着席のレセプションでは、テーブル・プランが最重要な事柄である。準備をするものは、必ず主催者の承諾を得るべきであるし、また、重要な場合は、ゲスト側の了解をも取り付けておくべきものである。

食事 日本人主催のレセプションで出される食材は、大変立派で有名であり、それを期待して参加する外国人も多い。しかし、食事の一切出ないカクテルがあるように、立派な食事を出せばよいと言うものではない。日本人には、レセプションをして接待をするという発想があるが、気軽に皆が集う機会を提供するというのがレセプションの本来の目的である。

ホストの挨拶 日本人が開催する大規模レセプションでは、ホストの挨拶が定番行事であるが、 騒がしくて誰も聞いていないのが実情である。西欧でも、かつては、スピーチのないレセプションの方が多かったが、最近は、世知辛くなったせいか、レセプションの効果を 最大限あげようと、ホストが挨拶をすることが多い。しかし、成功することは滅多にない。挨拶やスピーチは、やらなければならないと言うものではない。

リシービング・ライン ある程度の規模以上のレセプションでは、リシービング・ラインを設けて、ホストがゲストに挨拶をするのが通例であるが、必ずしもシービング・ラインを設けなければならないわけではない。特に大人数が列席する大規模のレセプションの失敗の大半は、リシービング・ラインで長蛇の列ができても、そのままホストが挨拶を続行することである。

閉会 レセプションで、楽しんでくれているゲストに早く帰れと、電灯を点灯してみたり、「お開き」の挨拶をするといった日本式の終了方法は、ご法度である。せっかくのレセプションが台無しになってしまう。

お土産 日本のレセプションにはお土産がつき物であるが、西欧では、これは例外的なものだと考えた方が良い。もちろん、選挙運動や営業活動のためにお土産を 用意し、参加者も、最初からお土産を期待して出席するレセプションもある。

はじめに

1 基礎的なプロトコール

挨拶

レディーズ・ファースト

敬称

序列

上位席

座席配置

レセプション

ディナー

テーブル・プラン

ビジネス・レター

レセプションで成功 の秘訣

2 プレゼンテーションの基本

スピーチ

原稿作成の秘訣

アイ・コンタクト

パワーポイントの使い方

 国際会議出席

会議の種類

議事規則の基本

会議用語


会議 成功の秘訣

inserted by FC2 system