2011年08月12日
内海 善雄 | 国際電気通信連合(ITU)前事務総局長 | 経歴はこちら>> |
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第二の「報道不足」は原子力の代替として注目される持続可能エネルギーに関するものだ。太陽パネルのエネルギー変換効率や風力発電の立地問
題、大規模な蓄電能力開発の必要性など、解決しなければならない問題が山積みなのに、ばら色の報道ばかりが目立つ。ウランも石油と同じようにいずれは枯渇
する。
人類は持続可能なエネルギーを使わないと滅亡することになる。つつましい省エネルギー社会を創り、いずれは太陽光や風力といった自然エネルギーだけで生
きていける技術を開発しなければならないが、その道筋は、まだ不明なのだ。ところが、明日にでも持続可能エネルギーだけで生存できると考えている者が少な
くないのではないか。
また、ドイツやイタリアが脱原発の方向に政策転換したことは大きく報道されたが、米国や中国など原発推進を表明した国の話はあまり伝えられていない。米
国をはじめ、多数の国が原子力を使用する以上、日本だけが原発を止めても、他国で事故が起きれば汚染は世界中に拡散する。特に風上の中国で事故が起きれ
ば、放射性物質がたちまち日本全土を襲い、福島の被害とは比べ物にならないことになるだろう。技術先進国の日本でさえ事故の対処は困難を極めている。も
し、途上国で起きればどうなるだろうか。原発技術の輸出を「再検討」と発言する総理は、もしかすると諸外国もすべて脱原発に進むと思っているのではと疑い
たくなる。だとすれば、あまりにナイーブというか、認識が甘い。むしろ、より安全な原発の技術開発こそが、福島原発事故を経験した日本の人類に対する責務
ではないか。
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