名誉博士学位贈呈者一覧

以下は

よりの抜粋です。

早稲田大学、ITU内海事務総局長に名誉博士学位を授与

 
早稲田大学は、ITU事務総局長の内海善雄氏に、同大学名誉博士(Doctor of Laws)の学位を贈呈した。12月7日には同大学小野記念講堂で、名誉博士学位贈呈式が盛大に開かれ、学位を授与された内海氏は記念講演の中で、自らの歩みを振り返りながら、情報通信技術の発展と普及とが世界の貧困を撲滅するための大きな手段になると強調した。

贈呈式の模様
写真1 白井克彦早稲田大学総長(左)から学位記を授与される内海善雄氏

今回の贈呈は、内海氏の長年にわたる国際通信分野への貢献を讃えるもの。とくに、1980年代に郵政省(現・総務省)において通信行政の主要ポストを歴任し、第二種電気通信事業制度を創設するなど、日本が世界に先駆けて通信自由化を実現したことに多大な寄与を果たしたこと。

ITUの事務総局長に就任後は、いち早く第3世代(3G)携帯電話の標準化に尽力し、最近ではNGN規格の推進など、標準化活動に大きな業績を残していること。さらに、内海氏が事務総局長として準備し、175ヶ国の首脳をはじめ、学界から産業界や市民団体までも含めた革新的な討論の場である、国連世界情報社会サミットを二度にわたり開催し、 2015年までに世界全人口の半数以上がインターネットを利用でき、すべての公共施設ではインターネットを利用できる環境をつくるという目標を共有化、実施計画まで踏み込んだ合意に達したこと。

また、2001年8月に、早稲田大学とITUとの間の研究交流包括協力覚書の締結に尽力し、同大学本庄キャンパス内における早稲田大学国連ITU研究センターの開設につなげたこと。これは、世界ではじめての総合大学とITUとの包括提携であり、2003年には横須賀リサーチパークに早稲田大学国連ITU研究センターを開設、続いて同大学はITU-R、ITU-T、ITU-DのITU3部門すべてとも協定を締結した。これらの様々な業績が評価され、今回の名誉博士学位贈呈に至った。

講演する内海善雄氏
 
写真2 講演する内海善雄氏

式典で学位記と学位賞を授与された内海氏は、その後記念講演に登壇。はじめてラジオを聞いたときの感動を思い返しつつ、ラジオ講義を聞いて勉強して大学に入り、この頃から通信技術の重要性を深く認識したと述べ、その後の人生の大半を捧げた情報通信分野の発展へ向けた活動を振り返った。

内海氏は、情報通信技術(ICT)の発展と普及こそが、世界の貧困を撲滅するために最も重要かつ有効な手段であると信じて活動してきたと語り、また、「そうした技術の世界標準化への真摯な取り組みが、他の様々な分野へ与える影響は大きいと信じている。(今回の名誉博士学位は)これまでICTの発展・普及に尽力したすべての人々に対して贈られたものであると思うし、そうした活動をやっと認めてくれたということを大変うれしく思っている」と締めくくった。

略歴

内海善雄(うつみ・よしお)氏
1942年 香川県生まれ。1966年 郵政省(現・総務省)入省。1972年 シカゴ大学政治学修士課程修了。1993年 郵政省官房国際部長。1994年 ITU(国際電気通信連合)全権委員会議議長を務める。1995年 郵政大臣官房総務審議官。1996年 郵政局長。1997年郵政大臣官房審議官。1999年 ITU事務総局長。2期8年をつとめ、2007年1月に任期を終える。2006年10月にはジュネーブ名誉州民称号を授与されている。

 

 

 

 

 

 

 

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